前回微分の計算を紹介しました。
次は微分を使ってできることをひとつ紹介します。
そもそも微分とはといった微分の定義はまだふれてませんので、
すっきりしない部分もあると思いますが、微分はこういうときに
使うという実例を見ていただくことによって微分にまずは慣れていただきたいです。
まずは準備 直線の式
中学以来使ってきた直線の式(1次関数のグラフの式)を振り返りたいと思います。
$$y=mx+n$$
は直線の式でした(傾き(かたむき)のある直線限定)。mは傾きで、nはy切片でした。
$$y=2x+3の傾きは2,\ y切片は3$$
$$y=-4x+7の傾きは-4,\ y切片は7$$
さらに、高校2年の図形と式で新たに学んだ直線の式もふりかえります。
傾きmである点(a,b)を通る直線の式は
$$y=m(x-a)+b $$
たとえば、傾き2で点(1,3)を通る直線の式は
$$y=2(x-1)+3$$
となります。右辺を展開してy=2x-2+3=2x+1 つまりy=2x+1とこたえておいてください。
このページではこの形式
傾きmである点(a,b)を通る直線の式は
$$y=m(x-a)+b $$
をよく使います。傾きと、通る1点の座標が分かれば直線の式はたてられるということがポイントです。
微分を用いて曲線の接線の方程式が求められます。
それでは、微分を使って求められるものをひとつ紹介します。
それは、曲線のある点で接している直線、これを接線といいますが、接線の式が求められます。まずは例をあげます。
$$y=x^2$$は放物線という曲線の式でした。
この上の点(2,4)で接する直線(点(2,4)における接線)は次のように
求められます。
step1 曲線の式、接点の座標を確認
曲線の式は$$y=x^2$$
接点(その場所で接している点)の座標は(2,4)
step2 曲線の式を微分する
$$y=x^2を微分してy’=2x$$
step3 y’に接点のx座標代入これが接線の傾き
$$y’=2xに接点(2,4)のx座標x=2を代入するとy’=2\times2=4$$
この4が接線の傾きです。
step4 接線の傾き、接点の座標を用いて接線の方程式を立てます。
接線の傾き4、接点は(2,4)ですので、接線の方程式は
$$y=4(x-2)+4$$
$$y=4x-8+4=4x-4,\ つまりy=4x-4$$
とわかります。
まとめますと、
$$y=f(x)上の点(t,f(t))における接線の方程式は$$
$$y=f'(t)(x-t)+f(t)$$
このまとめを覚えることは大事ですが式だけでなくy=f(x)上の・・・の部分も込みで覚えていってください。また何回か接線を求める問題を解いて(最初のうちは上のstep1から4を見ながらで十分だと思います。)、手順を身につけていってください。2次関数を例にとりましたが、微分できる曲線ならばほかの曲線の接線を求めたい時でも使えます。
コメント